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【子どもが10倍の速さで歳をとる —— ハッチンソン・ギルフォード早老症(プロジェリア)のお話】

  • 6 時間前
  • 読了時間: 3分

こんにちは、きしもとカラダcondiTionの岸本です。


私たちは普段、「いかに健康に歳を重ねるか」「老化とどう付き合うか」を考えながら、お一人おひとりの体と向き合っています。


でも今日は、その「老化」という言葉の意味を根本から考えさせられる、ある病気のお話をさせてください。


ハッチンソン・ギルフォード早老症 —— 通称プロジェリア。


幼い子どもが、信じられないほどの速さで歳をとっていく。そんな過酷な難病です。


◾️ プロジェリアって、どんな病気?

プロジェリアは、生まれて間もない時期から 全身の老化が異常な速度で進行する 「早老症」のひとつです。


その進行スピードは、なんと 通常のおよそ10倍。つまり、10歳の子どもの体が、見た目にも体の中身にも、100歳近い高齢者のような変化を見せることがあるのです。


具体的には、

  • 低身長で頭が大きく、髪の毛・眉・まつげが抜けていく

  • 皮膚にしわが増え、老化した見た目になる

  • とがった鼻、甲高い声などの特徴的な顔つき



そして見た目だけでなく、体の内側でも 全身の動脈硬化、糖尿病、関節の拘縮、股関節脱臼、骨の変形、白内障など、本来なら高齢者に起こる変化が次々と現れます。


◾️ 原因は「細胞の核」のかたちが崩れること

プロジェリアの原因は、LMNA遺伝子という遺伝子の変異です。


私たちの細胞には「核」があり、その核を内側から支える"骨組み"のようなタンパク質があります。LMNA遺伝子に変異が起きると、「プロジェリン」という異常なタンパク質が作られ、これが細胞核のかたちを変形させてしまいます。


核がゆがむと、細胞は本来の働きを保てなくなり、老化が異常に加速していく——これがプロジェリアのメカニズムだと考えられています。


「老化とは何か」を細胞レベルで象徴するような病気であり、だからこそ老化研究の分野でも世界中から注目されています。


◾️ どれくらいまれな病気なの?

これは極めてまれな病気です。発生率は 400万〜800万人に1人とされ、世界全体でも患者さんは140例程度と推定されています(日本では指定難病333)。


そして、つらい現実ですが、平均寿命は およそ13〜14歳。多くは心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化による病気で、若くして命を落とすとされています。


◾️ それでも、希望は生まれている

「治療法がない」とされてきたこの病気にも、近年大きな一歩がありました。

2020年、アメリカで ロナファルニブ(日本での製品名:ゾキンヴィ) という治療薬が承認されました。これは異常タンパク質プロジェリンが作られる過程を抑える薬で、臨床試験では 死亡リスクを約72%減らし、平均生存期間を4年以上延ばしたと報告されています。日本でも承認・発売の動きが進んでいます。


完治には至らずとも、確実に「光」は生まれているのです。


◾️ この話を、なぜするのか

正直に言うと、プロジェリアは私たち整体師が施術でどうにかできる病気ではありません。

それでもこの話をしたのは、「歳を重ねられること」そのものが、決して当たり前ではないと、改めて感じてほしかったからです。


肩がこる、腰が痛む、白髪が増える——私たちが「老化の悩み」として向き合っているものは、見方を変えれば「歳を重ねていける証」でもあります。だからこそ、その一日一日の体を、丁寧に、大切にしていきたい。私はそう思っています。


健康に歳を重ねるお手伝いを、これからも誠実に続けていきます。


神戸市垂水区舞子 きしもとカラダcondiTion岸本 拝

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