【垂水区の整体師が解説】腰痛が治らない本当の理由は「睡眠」かもしれません
- 5 日前
- 読了時間: 5分
こんにちは、きしもとカラダcondiTionの岸本です。
施術を受けると軽くなるのに、数日するとまた元に戻る
朝起きた瞬間がいちばん腰が痛い
ストレッチも運動もやっているのに、なぜか改善しない
こういうご相談、本当に多いです。そして正直に言うと、こういう方の問診でいちばん多く出てくるのが「最近、あんまり寝られてないですね」という一言だったりします。
◾️ 「痛いから眠れない」だけじゃなかった
腰が痛くて眠れない。これはわかりますよね。痛みがあれば寝つきも悪くなるし、寝返りのたびに目が覚める。
でも近年の研究でわかってきたのは、その逆方向のほうが、実は影響が強いということなんです。
つまり「眠れないから、痛くなる」。
ノルウェーで行われた大規模な追跡調査(HUNT study)では、調査開始時点で慢性的な痛みがなかった13,429人を11年間追いかけています。その結果、不眠のある人はない人に比べて、11年後に慢性腰痛を発症するリスクが1.36倍。慢性的に全身が痛くなる状態にいたっては1.58倍でした。
痛みの研究者たちが複数の研究をまとめて比較したところ、「睡眠障害が将来の痛みを予測する力」のほうが、「痛みが将来の睡眠障害を予測する力」より一貫して強かった、という報告もあります。
・・・なんか、順番が逆だったんですね。
◾️ 一晩眠らないだけで、痛みのブレーキが効かなくなる
もう少し具体的な話をします。
私たちの体には、痛みを自分で抑え込む仕組みが備わっています。専門的には「下行性疼痛抑制系」と言うのですが、要するに体内に備わった鎮痛システムです。
2019年に発表された研究で、健康な24人に一晩だけ完全に眠らないでもらい、翌日の痛みの感じ方を測定したものがあります。結果はなかなか衝撃的でした。
冷たさに対する痛みの閾値が 約22%低下(=痛みを感じ始めるのが早くなる)
痛みがだんだん強く感じられる現象(時間的加重)が 約43%増強
そして、痛みを抑え込むブレーキ機能が、測定できないレベルまで消えていた
別の研究では、一晩の断眠で熱に対する痛みの閾値が1.4℃下がったことも報告されています。
痛みのアクセルが踏まれて、ブレーキが効かなくなる。たった一晩でこれです。
慢性的に睡眠が足りていない状態が何ヶ月も続いていたら、体がどうなっているか。想像がつくと思います。
◾️ こんな症状、ありませんか?
朝起きた瞬間が、一日でいちばん腰や首が痛い
施術後は軽いのに、効果が数日しか持たない
痛む場所が腰だけでなく、肩・膝・股関節など複数ある
以前は平気だった軽い動作でも痛むようになった
寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
平日の睡眠が6時間を切っている
休日に「寝だめ」でなんとかしようとしている
3つ以上当てはまる方は、睡眠が痛みに関わっている可能性を一度考えてみてもいいかもしれません。

◾️ 日本人、特に50代が眠れていない
厚生労働省の令和5年 国民健康・栄養調査によると、1日の睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性50代で52.1%、女性50代では59.1%。
女性の50代は、約6割が6時間未満ということです。
OECDの調査でも、日本の平均睡眠時間は7時間22分と33カ国中で最下位。厚労省自身が睡眠ガイドの中でこれを明記しています。
そしてもうひとつ気になるデータがあります。ノルウェーの女性12,350人を追跡した研究では、睡眠問題を「しばしば・常に」抱えている人は、将来的に全身の慢性的な痛みを発症するリスクが3.43倍。45歳以上に限ると5.41倍でした。
うちに来られる患者さんの層と、ぴったり重なる数字なんです。
◾️ 「寝だめ」では取り返せません
よく聞くのが「平日は寝られないけど、土日にまとめて寝てます」という話。
残念なお知らせなんですが、これは効きません。
平日5日間の睡眠不足のあと、週末に好きなだけ眠ってもらった研究があります。結果、週末に増えた睡眠は累計で約1.1時間だけ。そして代謝の指標は、週末に寝だめをした群のほうが、しなかった群より悪化した部分すらありました。
厚労省の睡眠ガイド2023にも「このような習慣で実際には眠りを『ためる』ことはできない」とはっきり書かれています。
◾️ きしもとで意識していること
だから私は、最初のカウンセリングで必ず睡眠のことをお聞きします。
聞くのは「何時間寝ていますか」だけではありません。寝つきが悪いのか、夜中に目が覚めるのか、朝早く目が覚めてしまうのか。この3つを分けて伺います。
というのも、同じHUNT studyの別の解析で、不眠のタイプごとにリスクが違うことがわかっているからです。慢性的な背骨まわりの痛みのリスクが最も高かったのは、寝つきが悪いタイプ(1.70倍)。中途覚醒だけのタイプは、実は有意差が出ていませんでした。
そのうえで、身体側からできることを組み立てていきます。呼吸が浅くて交感神経が優位のままだと、そもそも寝つけません。骨盤や胸郭の動きが硬いと、寝返りがうまく打てずに夜中に目が覚めます。「眠れない体」になっている部分は、施術で変えられる余地があります。
もうひとつお伝えしたいのは、睡眠が足りていない方でも運動や体を動かすことに意味がある、ということです。睡眠を4時間に制限した実験で筋肉の作り直しが19%落ちたのですが、そこに運動を加えた群ではその低下が打ち消されていました。長期的に睡眠が悪い人でも、身体活動の基準を満たしている人は腰痛による生活の支障が35%低いというデータもあります。
眠れていないから何をやっても無駄、ということでは全くないんです。
◾️ 最後に
施術も、ストレッチも、姿勢の改善も大事です。でもそれと同じくらい、眠れているかどうかが痛みの土台を作っています。
「腰痛と睡眠なんて関係あるの?」と思われるかもしれませんが、そこがずっと引っかかっていた原因だった、という方は少なくありません。
なかなか良くならない痛みでお困りでしたら、あきらめる前に一度ご相談ください。一緒に原因を探していきましょう。
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神戸市垂水区舞子 きしもとカラダcondiTion
岸本 拝
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