【症例報告】「背筋を伸ばす」だけでは解決しない?40代デスクワーカーの慢性腰痛と運動療法のアプローチ
- hkishimoto9
- 1月27日
- 読了時間: 5分
① 問題提起:患者さんのお悩み
「仕事中、姿勢を良くしようと頑張っているのに、夕方には腰も肩もバリバリに固まってしまうんです……」

先日来院された40代女性(デスクワーク中心)の患者様から、このようなご相談をいただきました。 こちらの患者様は、長年の慢性的な腰痛と肩こりに悩まされており、当院の『可視化・整体ドック』 をきっかけに来院されました。
主訴: 慢性的な腰痛、夕方以降の背中の張り、猫背へのコンプレックス
現状の対策: 椅子に深く座り、意識的に背筋をピンと伸ばし続けている
悩み: 姿勢を意識すればするほど、逆に疲れが溜まり、痛みが引かない
多くの患者様が「正しい姿勢=背筋を常に真っ直ぐ固定すること」と捉えていますが、実はその「意識的な固定」こそが、症状を慢性化させている原因である可能性があります。
② 一般論:姿勢に対する一般的な誤解
一般的に「良い姿勢」と言えば、背骨が一直線に伸びた状態を長時間キープすることだと考えられがちです。しかし、身体力学や生理学の視点では、この認識には修正が必要です。
静止姿勢の弊害: どれほど理想的なフォームであっても、長時間「同じ姿勢」で固まることは、筋肉の持続的な緊張を招き、血流を阻害します。
「座りすぎ」のリスク: 日本人の座位時間は世界最長と言われており、単に姿勢が良いか悪いか以前に、「動かないこと」自体が循環器系や代謝機能へのリスク因子となります。
精神的ストレス: 「常に良い姿勢でいなければならない」という過度な強迫観念は、心理的なストレスとなり、かえって痛みへの過敏性を高めるリスクも指摘されています。
③ エビデンス解説:科学的根拠に基づく視点
最新の研究データや運動生理学の知見に基づくと、以下のことが示唆されています。
「固定」より「変動」の重要性 近年の研究レビューでは、「姿勢を崩さないこと」が必ずしも腰痛予防につながるという強い証拠はないとされています。むしろ、生理的に無理のある姿勢矯正(背筋を無理やり伸ばす等)は、筋緊張や痛みを増幅させる可能性があります。重要なのは、静的な姿勢の維持よりも、こまめに体勢を変えることです。
姿勢とメンタルヘルスの相関 一方で、うつむき姿勢(猫背)が続くことは、自己評価の低下やネガティブな気分に関連するという報告があります。逆に、胸を開いた姿勢はポジティブな感情や疲労感の軽減に寄与するとされています。つまり、「無理に固める」のではなく、「自然に胸が開く状態」を作ることがQOL向上には不可欠です。
筋力トレーニングの効率性(ミニマム・ドーズ) 姿勢を支えるための筋力強化において、長時間ジムにこもる必要はありません。「ミニマム・ドーズ(最小限の努力で最大の効果)」という理論では、週2回、1部位あたり数種目のトレーニングでも、適切な負荷(TUT: 筋肉への緊張時間)と可動域(ROM)を意識することで十分な効果が期待できるとされています。
④ 現場での見解:きしもとカラダcondiTionのアプローチ
当院では、医学的知識を持った国家資格者(柔道整復師) として、今回の患者様に以下のアプローチを行いました。
1. 「可視化」による原因特定 まず、足圧計測とInBody測定を行い、身体のバランスを数値化しました。 この患者様の場合、無理に背筋を伸ばそうとするあまり「反り腰」気味になり、重心がつま先側に偏っていることがデータとして確認できました。これが腰背部の筋肉を過緊張させていた原因です。

2. 施術(Treatment):痛みの除去とリアライン まずは「ペインテクニック」により、過緊張を起こしている脊柱起立筋や腰方形筋へのアプローチを行い、痛みを緩和させました。続いて「リアラインテクニック」を用い、骨盤と脊柱の本来の可動性を取り戻しました。

3. 運動療法(Conditioning):再発しないカラダ作り 施術で動きやすくなった身体に対し、パーソナルトレーニングを導入しました。
ターゲット: 姿勢保持に不可欠な「体幹(腹圧)」と「股関節周囲」
実践内容: 「ミニマム・ドーズ」の考えに基づき、忙しい方でも続けやすい週1〜2回のプログラムを作成。特に、腹圧を高めるドローインや、ハムストリングスと大臀筋を刺激する「ルーマニアンデッドリフト」などを、正しい可動域(ROM)で行うよう指導しました。

4. 経過と考察 「良い姿勢で固まる」ことをやめ、「30分に1回は立ち上がり、肩甲骨を動かす」習慣と、週1回のトレーニングを継続した結果、1ヶ月後には夕方の痛みが劇的に軽減しました。 当院のコンセプトである『姿勢が変わる。カラダが変わる。だから“日常”が変わる』 を体現された好例です。
まとめ
無理な「良い姿勢」は逆効果: 背筋を固めることよりも、関節や筋肉を適度に動かすことが重要です。
感覚より数値で判断: ご自身の姿勢のクセや痛みの原因は、主観的な感覚だけでなく、測定データ(可視化)に基づき客観的に把握することをお勧めします。
治療+運動のハイブリッド: 痛みを取る「施術」と、再発を防ぐ「トレーニング」を組み合わせることが、根本改善への最短ルートです。
【まずは自分のカラダを知ることから】 「私の姿勢、本当にこれで合ってる?」と不安な方は、ぜひ一度当院の『可視化・整体ドック』をご利用ください。国家資格者があなたの痛みの「本当の原因」を分析します。








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